暦(こよみ)
---暦(こよみ)---
「東洋占術の基である暦」 現在の暦はとても豪華なものですが、古い時代の暦はこのような雑書でした。言わば日めくり、カレンダーの様なものです。
干支や九氣星で毎日の、運勢などを計っていたようです。
古い暦も使い方においては、現在と変わらないのです。
陰陽五行思想や九氣星の使い方は、現在と大きな変りはなかったようでございます。現在の暦はカラーで、内容も充実されています。占星術の要素も多く掲載されており、運勢を読み取るのにとても便利です。古においては考えれないほどの、正確な情報も満載なのです。日の出や日の入りから月の満ち欠け、あるいは満ち潮と干潮まで、詳しく記されているのでございます。「暦を治めるものが、国家を平和に治める」と昔はこの様な帝王学の考え方が、実際に国家で行われていました。自然の摂理や哲理を究めることが、運勢を読み解く重要な鍵となっていたのでしょう。現在でも天気の情報は重要ですが、運勢の予報を自分で発見できるなら、きっと素晴らしい人生になると思われるのです。
暦は年運・月運・日運のほかに、方位や方角における方徳や方災を、読み取るだけのものにありません。その日の物事に対する考え方から、長い人生における知恵など様々な処世術までの情報が満載となっています。特に人生における節目には、暦がとても良く役に立ちます。たとえば結婚式にはこの日取りが良いですとか、建物を建築するにはこの日が良いといった、人生の中で特に大切な節目には、暦がとても善く重宝するのです。
現在においても建物を、建築するには三隣亡を避ける。あるいは大将軍が回座する場合には、建築を見合わせると言った知恵も伝わっています。豆まきなどで福を呼び込むという行事も、暦が伝える日本の伝統文化なのです。このように人生の通過儀礼や「年中行事」には、暦がとても詳しく日々の生活の中で役立ちます。暦は必要な日本の知識を、与えてくれているのです。
-----さまざまな年中行事-----
江戸時代までには陰陽師の役目が少し変わり、官職である職務は実際の暦とは違った風潮を出します。ここで古い時代の陰陽師からは違った観点から、観測を行い日本独自の暦が誕生するのです。江戸時代の観測方法は、近代の観測と比較すると、かなり正確な方法を創り出しました。方位に関する神社には、必ずこの天体を観測した、古い書物が存在。太陽暦を採用した現代社会は西洋の文化が優先しますが、月の運行と動向を基軸とした太陰暦は人間のバイオリズムと関係します。ですから現在の暦には月の満ち欠けから、潮の満ち引きまでが記されているのです。二十四節気七十二候という日本の季節感は、こうしたものからも導き出されて私達に、自然の在り方という日本の文化を教えてくれています。日本の伝統文化である様々な年中行事は人生豊かにする歳時記であるのです。 現在のカレンダーは戦後つくられたものなので占術的な要素はありません。ですが私たちは現代においても「暦」に従った生活を行っているのでございます。これが人生における歳時記の様になりたち、豊かな人生観を作り上げています。
例えば神社の鳥居に燦然と輝く太陽は、大切な季節を教えてくれているのでございます。神社の参道を照らす、太陽の光輝く先に、本殿があるのです。正中とは神様(太陽)の通る道。こういった考え方からも日本の文化は、「暦」から成り立っているのが理解できます。古代の歴史から建設された神聖な場所は、必ずレイラインという線の上に存在します。写真の様に「子午線」から読み取る智慧も、日本人の大切な智慧のひとつにございます。
「暦を治める者が国を治める」の通りに、”天体の動向こそ恒久平和の在り方”なのです。昔の人々の智慧というものは何千年と変わらずに、現代の私たちに受け継がれてきているものなのが解ります。
齋藤光之介(弘英)
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